ドーナツの起源はアメリカ? オランダ?
-呼び名の由来・輪っかになった理由とは?
専門店からスーパー・コンビニなど、どこでも手軽に買うことが出来るドーナツ。味にもバリエーションが多く、デコレーション次第では見た目が可愛らしくてインスタ映えするおやつですよね。海外TVドラマや洋画を見るとアメリカの刑事さんが張り込みの時に食べているシーンも多いですし、何となくアメリカ人が好きそうという勝手なイメージがあったりします。そこで気になるのがドーナツはアメリカ料理なのか、ドーナツって言葉の由来は何なのか。アメリカでドーナツが親しまれるまでの歴史と、ドーナツ雑学を紹介します。
目次
ドーナツ(Doughnut/Donut)について
ドーナツとは
ドーナツは小麦粉などからなる生地を油で揚げた菓子もしくは軽食を指す言葉。
辞書などを引っ張ってみると「小麦粉に砂糖・卵・バター・ベーキングパウダーなどを加えて練った生地を油で揚げた西洋菓子」というようなことが書かれていますが、実際はおからドーナッツや米粉ドーナツもありますよね。形状もリング状・ツイスト状・ポール状・円盤状など様々で、最近は油で揚げない“焼きドーナツ”や“蒸しドーナツ”なんてものもありますから、ドーナツの定義って実は結構あやふや。
ドーナツにはいろいろな形をしたものがありますが「ドーナッツ形」と言われれば、大半の方が中心がくり抜かれたリング状の形を想像するはずです。ドーナッツの定義に当てはまるか微妙な焼き・蒸しドーナツやおからドーナッツなどは「ドーナツ感」を出すためかリング型に成型していることが多いように感じられます。直方体の型に入れられていたらドーナツなのかスポンジケーキなのか分かりませんしね。JAS規格などきっちりした規格・定義はないので、見た目がドーナツっぽく見える・揚がっていて味がドーナツだなと思えるものならドーナツでOKというくらいの感覚なのでは。
ちなみにドーナツは英語で”doughnut(s)”もしくは”donut(s)”と書かれます。どちらも間違いではありませんが『オックスフォード辞典』では”doughnut” is used internationally, the spelling “donut” is Americanと説明されていますから、短い方の”donut(s)”はアメリカ英語という扱いになっているようです。多種多様な人が集まっているアメリカで、どの地域の人でもスペリングと発音がしやすいようにと略すようになったんだとか。日本では主力と言えるアメリカ発祥のドーナツチェーン店『ミスタードーナツ(Mister Donut)』もアメリカ式の”donut”ですね。
ドーナツの生地は主に3種類
イーストドーナツ(Yeast doughnuts)
呼び名の通りイーストドーナツは生地をイースト発酵させて作られたドーナツの総称で、イメージとしてはパン屋さんで売られているドーナッツ。もっちりもったりとした重めの食感が特徴となっています。揚げパンと言っても差し支えがないタイプですね。
ケーキドーナツ(cake doughnuts )
小麦粉をイースト発酵させるイーストドーナツに対して、ケーキドーナツはベーキングパウダーを入れて膨らませたもの。パンとパンケーキ、パンと蒸しパンなどの違いを想像していただければ分かりやすいかと思いますが、ふわふわ感が強く軽めの食感があります。ホットケーキミックスで作るドーナツだったり、豆腐や米粉を使うタイプもこちらになります。イースト発酵しないもんね。
クルーラー(cruller)/ツイスター(twister)
上記の二つは生地段階で成形出来る程度の固さがありますが、それよりももう少し水分が多く柔らかい生地を使ったものはクルーラーもしくはツイスターと呼ばれます。生地が柔らかいので成型してから油に入れるのではなく、絞り出しながら油に入れることも。代表的なドーナツはシュー生地を揚げたフレンチクルーラー。
小さい丸型ドーナツはドーナツホールズ?
ミスタードーナツで売られているドーナツポップ(昔のD-ポップ)など、小さくて丸っこい形のドーナツは“doughnut holes(ドーナツホールズ)”と呼ばれることもあります。直訳すればドーナツの穴=リング状のドーナツを作るためにくり抜いた中身をつかったもの、という事だとか。
現在は家庭用でもドーナツ型になっているおたまであったり、ドーナツ型やドーナツメーカーがありますから実感がわきませんが、昔、リング状のドーナツが作られ始めるようになった当初は「生地の中心をくり抜く」という工程でリングドーナツは作られていました。くり抜いたところは勿体無いし、小さくてコロンとした形のドーナツは目新しいから揚げて売ってみようという時期があったそう。ただし現在は最初から輪っかの形に作られているため、くり抜いた中身を揚げているという訳ではありません。サイズ感や見た目の可愛さなどで商品としては残っていますけれどね。
ドーナッツの仲間の揚げ菓子類
上記でご紹介したように、ドーナッツの定義ってめちゃくちゃ曖昧。個人的にはある程度柔らかさのある揚げ菓子類、もしくはリング状のお菓子の総称と言ってしまっても良いのではないかと思うほどです。アメリカでも「どこまでがドーナツだよ」という話になっているのか、原料や製法などから世界各地のお菓子がドーナツの一品種もしくはドーナツの仲間としてカウントされています。各地の方々からすればドーナツではないと言いたいような気はしますけれど、ドーナツと言えなくもない各国の揚げ菓子類をいくつかピックアップしてご紹介します。
サーターアンダギー
今や全国区で親しまれている沖縄県の揚げ菓子、サーターアンダギー。小麦粉と卵・砂糖などで作った生地を球状に丸め、油でじっくりと揚げた食べ物です。同じ材料でも四角く成型したものは“サングァチグァーシ”と呼び分けるそう。ともあれ、どちらも原材料は一般的にドーナツの定義として語られるものに合致していますし、油で揚げます。ついでにサーターアンダギーを標準語にすると“砂糖天麩羅”とされており、外来語が規制された戦時中はドーナツも“砂糖天麩羅”でした。逆に英語ではサーターアンダギーを“Okinawan Doughnuts”と表現しているものもありますから、まぁ、ドーナッツ類ということでしょう。そのほかに天ぷら生地だけを揚げた“カタハランブー”もドーナッツの仲間に数えられています。
クロナッツ
2013年アメリカで注目され日本でも2015年頃に話題となったクロナッツは、クロワッサンに似た生地を揚げた食べ物。クロワッサンとドーナツを融合させたものというのが売りでしたから、ドーナッツの一種と言われても納得しやすいですね。
揚げパン系ドーナツ:マラサダなど
広めに捉えれば揚げパン類も全てドーナツに含むことが出来ます。日本では餡を生地で包んで揚げたものを“あんドーナツ”と呼んでいますよね。お店によってはドーナツ生地と言うよりもパン生地に近いものもありますから、揚げパンであるともドーナツであるとも言える食べ物のように感じます。
日本のあんドーナツと似た印象のものとしてはドイツではベルリーナー(ベルリーナー・プファンクーヘン)と呼ばれるジャム入りの揚げパンが、、ポルトガルではマラサダという揚げパンが食べられています。マラサダはシンプルな揚げパンタイプも、中にチョコクリームやカスタードクリームを入れたものもあるそう。似たタイプにはイタリアのボンボローニ、イスラエルのスフガニヤなどもありますね。これらもざっくりとドイツ風ドーナツ、ポルトガル風ドーナツのように「地名+ドーナツ」で呼ばれることがあります。
そのほか
フランスの揚げ菓子ベニエ(Beignets)も“Louisiana Style Doughnuts”と呼ばれることがあります。あんぱん文化がある国のせいかマサラダ辺りはドーナツでも違和感を感じませんが、この辺になるとちょっと違和感がありますね。人によってはチュロスをドーナツというカテゴリー内の一種としている方も居るようです。明確な基準が無いからこそ、個人個人の感性で分かれるという事でしょうか。
そのほか英語版wikipediaではインドで食されている濃縮乳・小麦粉・砂糖水を混ぜて球形に成型したものを揚げて砂糖水に漬け込んだお菓子“グラブ・ジャムン”であったり、中国やベトナムで食べられている揚げパン“油条”もドーナツの一種としてカテゴサイズされています。甘い味付けはされていないものがお粥のお供などとしても食べられる油条もドーナツの一種、Chinese cruller言われると違和感があるような。ドーナツ派の方からすると揚げて上から粉糖をかけていたら全部ドーナツ、なのかもしれないと思うような分類ではあります。
ドーナツ起源説と歴史
ドーナツの起源はオランダ
ドーナツの原型とも言える、生地を油で揚げるもしくは揚げ焼きにする料理は各地に存在しています。“中国式揚げパン”とも呼ばれる油条であったり、イスラエル周辺で食べられているスフガニヤはドーナツが出来る以前より食されていたと伝えられています。スペインやポルトガルのチュロスやブニュエロスもドーナツの仲間と言えば言えなくもない存在ですし、日本でも沖縄県のサーターアンダーギーなどがあります。こうした揚げパン・揚げ菓子類のルーツを全て辿るのは困難であり、おそらく一箇所から広まったものではなく各地で自然発生した料理法だと考えられます。
現在私達がドーナッツと呼んでいる食べ物の直接的な起源に絞ると、原型となるのはオランダで食べられていた「オリークック(oliekoecken)」もしくは「オリクック(olykoek/oliekoek)」と呼ばれる揚げ菓子とされています。このオリークックは小麦粉ベースの生地を熱した油に入れるというものだったそう。いつごろからオリークックが食されていたかは定かではないものの、最も古いレシピの記録は1667年に記された『De sensige kock』というオランダのレシピ本とされています。このことから最低でも17世紀にはレシピ本に記載されるくらいに知られた料理であったことが窺えますし、16世紀以前から食されていたという説もあります。
アメリカといえばイギリス帝国支配下から独立したという印象がありますが、1600年代前半のニューヨークは“オランダ領ニューネーデルラント”でした。諸説ありますがこのオランダ植民地時代のニューヨークにオランダからの入植者がオリークックを持ち込み、アメリカで材料や製法などにアレンジが加えられたことでドーナッツへと変貌を遂げていったと考えられています。ちなみにこのオリークック、現在オランダドーナッツとも呼ばれるオリーボーレン(oliebollen)の原型でもあります。オリーボーレンは中にドライフルーツやナッツが混ぜ込まれた、球状の甘い揚げパンとでも言えるような食べ物。こちらの方が原型オリークックに近いものではあるようです。
オリークックもお祭り料理?
オランダでオリークックが食べられていたのはゲルマン民族が12月26日~1月6日までの10日間行っていた、ユール(yule)と呼ばれる冬至のお祭りだと考えられています。現在はユールはクリスマスの祝祭と一緒になっていますが、元々は古代ヨーロッパのゲルマン民族が行っていた冬至祭。キリストの降誕をお祝いするという意味ではなく「一年で最も長い夜を乗り切り、太陽が再び力を持つようになることを祈る」という様な意味がありました。また、時期的に収穫祭(豊穣祭)としてのニュアンスも持ち合わせており、太陽や神様に感謝を捧げてお祭りをしてご馳走を食べる…と一年で一番大きなイベントと言えるのがユールだったそう。日本人からすると大晦日+正月+十五夜&十三夜くらいの感覚でしょうか。
この盛大な冬至祭ユールの中で、ご馳走料理の一つとしてオリークックも用意されていたとの説が有力視されています。当時は小麦粉はまだしも、砂糖と油は高級品。油をたっぷりと使って生地を揚げた甘いお菓子は祝宴料理として相応しいものだったと推測できます。昔の日本で言えば、おはぎ(ぼたもち)がハレの日に用意されていたような感じですね。また、一年の中で最も暗く長い冬の夜には悪霊などが行き交うという伝承もあり、ご馳走はそうした邪悪なものの気持ちを宥めて「自分たちには悪さをしないでください」という捧げ物でもあったようです。魂を切り裂こうとする悪霊(女神ペルヒタという説も)に差し出すと、油で滑って魂が切り裂けなくなるなんて伝承もあるとか。
さすがに現在は悪霊除け感覚で食べる方は殆どいらっしゃらないでしょうし、クリスマスと一体化したユールで供されることも少ないようです。しかしオランダでは現在でも年越しにはレーズンやグーズベリーの入った「オリーボーレン」を食べるのが伝統的。日本の年越しそば=オランダの「オリーボーレン」だと紹介されることもあります。冬のおやつとしても定番で時期になるとオランダでは屋台などでも売られているそうですし、ドーナツ専門店“Jack In The Donuts”さんでは常時売られていたような気もしますが…特に12月31日は欠かせないらしいです。
ドーナツという呼称の由来・誕生は
文献の中でドーナツ(doughnuts)という言葉が初めて登場したのは、アメリカの作家ワシントン・アーヴィングが1809年に発表した『A History of New York/ニューヨークの歴史』とされています。彼は”balls of sweetened dough, fried in hog’s fat, and called doughnuts, or olykoeks.”と記していおり、丸めた生地を揚げたものがオランダから伝わったオリクック(オリークック)という名だけではなく“ドーナツ(doughnuts)”という言葉で表現されています。
ものすごく英語に詳しいわけではないので恐縮ですが…doughはパンなどの“生地”もしくは生地状のものを指す言葉。nutsについては諸説ありますが『The American Heritage Dictionary』によると“小さな丸いケーキまたはクッキー”を指す言葉と紹介されています。オランダ語での菓子の呼び名oliekoecken(オリークック)・olykoek(オリクック)も意味は“oil balls”とされていますから、オランダ語に準じている感じもあり、ドーナツの語源・由来としては「丸いケーキもしくはクッキー状にした生地」とでもなるのでしょうか。揚げるって意味の言葉が入っていないのが少し不思議ではありますが。
ちなみにnutという言葉は工具部品のナットもしくはリング状を彷彿とさせるものを示す言葉としても使われるため、中心に穴の空いたリング状の形状を指すという見解もありますが、ワシントン・アーヴィングが記述した時点でドーナッツ穴はまだ開いていなかったと考えられます。内容も“balls of sweetened dough”=甘みのある生地をボール状にしたもの、ですので。どちらかと言えばnutではなくknot=結び目だったという説の方が信憑性はあるような…。
19世紀半ばにリングドーナツが誕生
アメリカへと伝わりドーナツと呼ばれるようになっても、1800年代の最初のうちまでは現在ドーナツと聞いて多くの方が思い浮かべるような、輪っかの形をしたドーナツはありませんでした。19世紀半ば頃まではアメリカで食べたられていたドーナツはボール状、もしくはそれを少し平べったくしたような形をしていました。しかし料理をする方であればご想像が付くように、揚げ物は外側から火が通っていきます。当時の人々にとって中まできちんと火が通らないという事が悩みのタネだったそう。最初は中央部分に火が通っていなくても問題のない果物やナッツを詰めていたそうですが、19世紀半ばに「いっそ真ん中が無ければ良いんだ」と思いつく人が登場します。
リングドーナツの考案者はニュー・イングランドの船長だったハンセン・グレゴリー(Hansen Gregory)という方というのが通説。1847年に彼がリングドーナツを考案したというのが定説ではありますが、なぜドーナツをリング状にしようと思い立ったかについては様々なエピソードがあります。あるエピソーとでは母エリザベス・グレゴリーが作ってくれたドーナツを食べながら航海し、両手で操縦できるように船のハンドルにドーナツを突き刺した事でアイディアを得たと伝えられています。真ん中に空いた穴を見て、これなら火が通ると思ったんでしょうね。
そのほかに彼は様々な形にねじれて脂っこい(しかも中心部は生っぽい)ドーナツが好きではなかったとか、夢の中で天使が教えてくれたというエピソードもありますが…ともあれ、1847年にハンセン・グレゴリー氏は中心に穴を作ることでドーナツの生焼けを無くせると気付いたと信じられています。陸に戻った彼はこのアイディアをお母さんに教え、仲間内を中心に広がっていったというのが一般的なリングドーナツ誕生話となっています。ただし特許をとったなど明確な証拠がないため、ドーナツ生地に卵を加えたパン屋さんが考案したなどの説もあり決着は付いていません。
ドーナツの普及と量産化
19世紀半ばに発明されたと言われているリング状のドーナツは数十年の間に普及し、19世紀後半頃までにはポピュラーな形状になっていたようです。1870年代に記されたレシピには“cut in rings or twists”と輪っかにする方法が記されていますし、リング状のドーナツ型の特許申請をした人も現れたそう。
そして20世紀に入ると第一次世界大戦が勃発しますが、この中でもドーナツは活躍します。第一次世界大戦中に救世軍などの慈善団体の女性たちが、軍人たちへの慰問の際にドーナツとコーヒーを届けるという支援活動が行われたんです。現在アメリカでは6月第1金曜日を“ドーナツの日(National Doughnut Day)”としてドーナツ無料配布などのキャンペーンが行われていますが、これも慈善活動としてドーナツを提供してくれた救世軍の人々を記念して創設された記念日なんですね。
さらに活動資金を集めるため、救世軍はアメリカ国内でも大規模なドーナツチャリティーイベントを開催。1919年には2日間で50万ドルの寄付が集まったそうですから、ドーナツを手にした人は多かったのでしょう。この活動の影響からアメリカでは更にドーナツが普及したと考えられています。また、おそらく調理面での問題でこの時にもリング状のドーナツが使用された=リング状ドーナツのイメージがアメリカ国内で強くなった一因であるという見解もあります。
そして1920年、間食の一つとしてアメリカ人に親しまれていたドーナツに革命が起こります。ロシア出身のユダヤ人難民アドルフ・レビット(Adolph Levitt)氏によって自動ドーナツマシンが発明されたのです。それ以前のドーナツは手で一つ一つ作られていたもの。何千個も作った救世軍の女性は大変だったでしょうね…。しかしアドルフ・レビットの開発した機会は1時間で960個のドーナツを生産可能。翌1921年に販売されると生産コストの減少から導入してドーナツの製造販売に参入する業者も多く登場し、1934年のシカゴ万国博覧会ではこの機会で製造されたドーナツが“Hit Food of the Century of Progress”と称されるほどに。
1919年のドーナツの売上高は年間500万ドルだったものだ、1935年には売上高は3300万ドルまで増加したそう。大恐慌の最中でもドーナツは一般庶民が気軽に食べられる安価な朝食・間食として提供され続けたそうですし、第二次世界大戦の際にも同じく兵士にドーナツを届けるという活動は行われました。1937年には“Krispy Kreme Doughnuts”が創業していますし、戦後になると1948年に“Winchell’s Doughnuts”、1954年には“Daylight Donuts”など世界規模のチェーン店も続々と登場しています。
参考サイト:Food Timeline–history notes/The History of the Doughnut/You don’t know the history of donut evolution!/List of doughnut varieties
ドーナツの起源はオランダ…とは言われているものの、ほぼアメリカで独自に改良されていった食べ物と言える存在ではないかと。オリークックは素朴で無骨な揚げパンって感じなので。ポップコーンと同じく世界大戦や大恐慌中も親しまれていた事を考えると、アメリカがドーナッツ大国であることも分かるような気がします。ソウルフードの一種とでも言うべきなんでしょうかね。個人的にはサンドイッチとホットドッグは別物だと言うなら、サーターアンダギーもドーナツではないと言いたいですけれども(苦笑)
今ではカロリーが高いジャンクフードの一種というような扱われ方をするドーナツですが、ドーナツの起源とされるオリークックをはじめ、昔は各地でドーナツ系揚げ菓子は「特別な日のご馳走」として扱われていたもの。沖縄のサーターアンダーギーも縁起物らしいですし、ドイツのベルリーナーは大晦日や謝肉祭に、マサラダも謝肉祭最終日に食べられていたもの。今は毎日でも食べられるからこそ「肥満の原因」と言われてしまう部分もあるの思うので、お好きな方はドーナッツ断ちではなく特別な日に食べるようにしてみては?
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