還暦・古希・喜寿・米寿…長寿祝いの種類とは
-年祝いをする年齢と意味・お祝い色一覧

還暦・古希・喜寿・米寿…長寿祝いの種類とは<br />-年祝いをする年齢と意味・お祝い色一覧

子供のときは七五三や十三参り、成人式など誕生日+αの嬉しさがありますが、大人になると節目を祝う機会は減ってしまいますよね。年齢での節目というと厄年くらいであまり嬉しくない…と思いますが、60歳の還暦を迎えると再び様々な人生の節目をお祝いするようになります。お世話になった感謝の気持ちも込めて長寿のお祝いを…と思っても、還暦はさておき種類が沢山あって分かりにくですよね。下記では簡単に年祝いの名称と意味・年齢・お祝いに使われる基調色を一覧にまとめてみました。

長寿祝(年祝い)の名称と由来・年齢の一覧

長寿のお祝いは年祝いの一種であり、賀の祝い・賀寿・算賀などとも表現されます。古い時代には40代くらいからあったのですが、現在は60歳(還暦)から年祝が行われるようになるのが一般的。

お祖父ちゃんお祖母ちゃん、両親、お世話になった方など、特別なお誕生として是非ともお祝いしたいものですよね。マイナーなものも含めると長寿のお祝いには沢山の種類がありますので、代表的なものをご紹介します。

ちなみに年齢については昔に作られた風習なので、特別に記載していないものは数え年で行われていたのが本来の形しかし現在では年齢を表す際に生まれた時を「0歳」として数える満年齢のほうがポピュラー。生まれた瞬間から1歳で数える(更に誕生日ではなくお正月で年を足す)数え年齢でカウントすると実感が薄いですよね。日常的に認識している自分の年齢(満年齢)よりも一つ年を取ったように感じてしまうのが嫌という心境もあって、近年は満年齢で行う方も増えていますよ。

干支の一周を基準としている還暦・大還暦にだけ注意すれば、後は数え年齢でも満年齢でもお好きな方でOKです。お祝いする年齢や名称、祝い色と呼ばれるものについては地域によっても差異がありますので、知っているものと違うと思うものがあってもお許しくださいm(_ _)m

61歳(満60歳):還暦(かんれき)

長寿祝いの中でも最も意識されることが多い還暦。生まれ年は十二支で数えると12年で一周しますが、干支というものは十干と十二支を組み合わせたもので全60種類あります。61歳は干支が一周して、生まれ年と同じ干支が回ってくる=暦が還ることになるため還暦と呼ばれています。

生まれ年に戻ることから“本卦還り”とも称され、赤子に戻る・生まれ直して第二の人生を歩むという意味でお祝いされます。人生の節目とも言えますね。お祝いに赤いちゃんちゃんこ・帽子・座布団などが使われるのも「赤子に戻る」という謂れが由来となっていますし、赤は生命の象徴・邪気を跳ね除ける色として第二の人生を健やかにすごせるようにという願いも込められています。

お祝い色は赤。

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66歳(満65歳):緑寿(りょくじゅ)

66歳の祝いで意である緑寿は、2002年9月に日本百貨店協会によって提唱された新しい長寿のお祝いです。他の長寿のお祝いのように古くから存在したものではないのでご存じない方もいらっしゃるでしょう。昔は60歳で仕事を引退される方も多く高齢者・セカンドライフの入り口のように思われていましたが、現在の60代はまだまだ現役で還暦で高齢者扱いされるのは抵抗があるという方も。定年退職の年齢も上がりましたしね。

そこで現役世代と高齢世代の節目、新しい社会活動への参加のスタートラインとして満65歳の緑寿が提唱されました。日本百貨店協会なのでお祝い品の売上倍増とか販売商戦な部分もありますが、退職祝いと重なる年齢でもあるので現代社会では還暦よりもしっくり来るかもしれません。ちなみに緑寿は緑(ろく)と「6」の語呂合わせ。66歳なので緑緑寿となるものを、親しみやすく簡略化して緑寿になったそうです。

お祝い色は緑。

70歳:古希・古稀(こき)

古希は中国の詩人である杜甫が詩の中で書いた「人生七十古来稀なり」という言葉が由来です。人生七十古来稀なり=七十年も生きられる人は古くから稀である、という意味。現在は70代でも仕事や趣味を持って若々しい方も多いですが、昔の感覚では稀なる長寿をお祝いしようということだったのでしょう。

お祝い色は紫。

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77歳:喜寿(きじゅ)

77歳のお祝いを喜寿と呼ぶのは、「喜」という文字を草書にくずして書くと七十七を重ねたように見えることが由来。還暦や古希は中国発祥のお祝いですが、喜寿は日本で室町~江戸時代頃から祝われていた長寿祝いです。

お祝い色は紫。

80歳:傘寿(さんじゅ)

80歳のお祝いを傘寿と呼ぶのは、傘を略字で書くと「仐」と八と十を組み合わせたように見えることが由来。八十寿(やそじゅ)ともよびます。八という字は末広がりの形から縁起が良い数字として日本では古くから愛されてきましたし、80歳という年齢も“長寿のお祝い”として違和感なく祝やすい節目の年と言えるかもしれません。

お祝い色は金茶、黄。
地域によって紫色を使う場合もあります。

81歳:半寿(はんじゅ)/盤寿(ばんじゅ)

81歳のお祝いは半寿もしくは盤寿と言います。長寿のお祝いなのに“半”とは妙な気分になりますが、「半」の字を分解すると八・十・一に見えることが由来です。将棋盤のマス目の数は9×9=81個であることから将棋の世界では81歳を盤寿と言うようになり、半寿よりも字面が良いということで一般にも盤寿という呼び方が広まったそう。

お祝い色は金、金茶、黄。

88歳:米寿(べいじゅ)

傘寿や盤寿よりも知名度の高い88歳のお祝い米寿。呼び名の由来は「米」の字を分解すると八・十・八になることから。米の祝い(よねのいわい)とも呼ばれており、古い時代では長寿祝いの最後の一つでもあったそうです。斗掻と呼ばれる枡に盛ったものをならす小さな棒を宴席の参加者に配る風習がある地域もあり、沖縄県では斗掻を意味する“トーカチ祝い”と呼ばれています。

お祝い色は金、金茶、黄。
ただし北海道など一部地域では米寿に赤いちゃんちゃんこを贈ったり、赤頭巾を着ける地域もあります。

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90歳:卒寿(そつじゅ)

90歳のお祝いが卒寿と呼ばれる由来は、卒の略字で「卆」が九十に見えることから。

お祝い色は金、金茶、黄。
ただし地域によっては紫・紺色系統を使う場合や、白を用いる場合など様々。

99歳:白寿(はくじゅ)

百から一をひくと“白”の文字になることから、100歳から1歳ひいた99歳を白寿と呼んでお祝いしています。百寿ありきで出来たように感じますが、実は白寿祝いが先に存在し、後付のような形で百寿が出来たのだそうですよ。

○お祝い色は白。

100歳:百寿(ひゃくじゅ/ももじゅ)・紀寿(きじゅ)

百寿は文字そのまま百歳のお祝いのこと。一世紀を生きたお祝いという意味で“紀寿”や、百賀の祝いとも呼ばれます。百歳のお祝い=百賀の祝いの後も101歳は百一賀の祝い、102歳は百二賀の祝い…と毎年お祝いすることもあります。高齢化社会と言われる現在でも、100歳を越える年齢になれば間違いなくご長寿。

お祝い色は白・金・桃。
定まったものはなく白や金色などが使われます。百が“もも”とも読めることから、他の長寿祝いと区別するために桃色を使うという方も。年齢の桁数が変わる節目でもありますから、特別感のあるピンク系統を加えてみると良いかもしれませんね。

108歳:茶寿(ちゃじゅ)

108歳のお祝いを茶寿と呼ぶようになったのは「茶」の漢字を分解すると草冠が“十”2つで二十、その下が八十八になることが由来。20+88=108になるので、108歳のお祝いの呼び名として使われたというわけですね。

百歳以上のお祝いには祝い色が決められていないため、茶寿以降のお祝いは基調となる色がありません。名前から茶色を使いそうになりますが、お祝いされる御本人が好きそうな色を取り入れるも良し。紅白や金などお祝い感の強い色を選ぶも良し。年齢的にも服を着替えてもらうなどは負担が大きいことが多いので注意。

110歳:珍寿・椿寿(ちんじゅ)

110歳のお祝いは珍寿や椿寿と呼びます。読んで字の如く「珍しいほどの長寿」というところでしょうか。ただし珍寿(ちんじゅ)は95歳のお祝いを指す言葉として利用される方もいらっしゃいますし、120歳以上の事を言うと紹介されている場合もあります。椿寿の意味も決まった年齢のお祝いというよりは“長生きすること・長生きを祝う言葉”と記載されている辞書がほとんど。

111歳:皇寿(こうじゅ)・川寿(せんじゅ)

111歳のお祝いは皇寿もしくは川寿と言います。珍寿については様々な捉え方がありますが、111歳のお祝いは共通しています。皇寿は「皇」の字が白(九十九)と王(十二)に分解できること、川寿は「川」の字が111に見えることが由来

118歳:天寿(てんじゅ)

天寿の「天」の文字を分解すると一・一・八になることが由来。118歳まで長生き出来たら「天から愛されているご長寿」とも言えそうですけどね。

121歳(満120歳):大還暦(だいかんれき)

還暦の倍生きたと120歳のお祝いは“大還暦”と言います。120歳代と言えば世界記録になれるくらいの長生きですから、現在でも大還暦を迎えられる方は多くありません。大還暦抜きしても、盛大にお祝いしたいところですね。

今までの誕生日祝とは別に「特別なお祝い」感を出すことで感謝の気持ちを伝えられるのは良いことだと感じます。現在は還暦でお年寄り扱いしたら高確率で怒られそうではありますが…年齢を重ねながら自分に影響を与えてくれたこと・役目を果たしてきたことを尊敬する気持ちでお祝いするなら喜んで頂けるはず。

還暦や古希のお年頃の方はまだまだ若々しく、感覚も現代的。昔ながらのちゃんちゃんこなどではなく、ネクタイやスカーフ・帽子などオシャレアイテムをプレゼントしても良いかもしれません。私はお祖父ちゃんに赤いハンチング帽、お世話になったおじ様には赤色の文房具を渡しました(笑) 探せば祝い色のケーキなども見つかります。昔ながらのお祝いを現代風にアレンジして、忌避感なく喜んでもらえる長寿祝いにしたいですね。