【30秒でわかる】ハロウィンとは?由来はケルトの悪霊祓い?!

【30秒でわかる】ハロウィンとは?由来はケルトの悪霊祓い?!

【30秒でわかる】ハロウィンとは

ハロウィンは10月31日に行われるイベント。
ホラー調・ゴシック調の飾り付けをしたり、仮装パーティーやパレードを行うのがポピュラー。9月頃からハロウィンのマスコットキャラクター的な存在、カボチャの“ジャック・オー・ランタン”の限定パッケージ、パンプキン味の商品も多く並びます。

日本を含め、現在多くの国で行われているハロウィンに宗教的な意味合いはありません。魔女や黒猫、オバケなども登場し、ホラーテイストがありつつもコミカルなイベントとして楽しまれています。

ハロウィンの起源は古代ケルトのお祭りにあるという説が有力。
彼らは10月31日~11月1日は光と闇の間にある期間で、死者の魂がこの世に舞い戻ってくると考えていました。悪い霊に取り憑かれないようお祭り・儀式で行われていた「悪霊に仮装する」という風習が、ハロウィンの由来とされています。

ハロウィンの豆知識

ハロウィンの語源は“万聖節の前日”

キリスト教が力を持つと、それ以前の儀式・お祭りは廃れていきます。
ハロウィンの原型、悪い霊に取り憑かれないように10月31~11月1日にかけて行われていた古代ケルトの行事も例外ではありません。キリスト教によって11月1日がAll Hallows’ Day(諸聖人の日/万聖節)に制定され、その前夜は礼拝を迎えるための断食・食事制限をしたり、祈りを捧げる日とされました。

中世から近世にかけて、ほとんどの地域で古代ケルトの考えを継ぐ行事は行われなくなりました。10月31日も万聖節の前夜を意味する“All-hallow-even”もしくは“Hallow’s Eve”と呼ばれ、キリスト教文化の方が一般的になってきます。ちなみに、今使われている10月31日のイベント名「ハロウィン(Halloween)」も、この“Hallow’s Eve(ハロウズ・イブ)”が訛ったものと考えられています。

ただし、アイルランドなど一部地域でのみ、10月31日に古代ケルトから続く風習を取り入れた行事が行われていたようです。ごく一部の地域でだけ行われている、極めてマイナーで、異端ギリギリの行事といったところですね。

私達の知るハロウィンはアメリカ発祥

一部地域でのみ行われていたハロウィンが、世界中で親しまれるイベントになった発端はアメリカ。より詳しく言えば、19世紀頃にアイルランド・スコットランドから大勢の方が北アメリカへと移住したことがきっかけとされています。

アイルランドから移住した人々の中には“Hallow’s Eve”の伝統を守っている方もいました。彼らが行う行事が少しずつ広がり、アメリカで収穫祭を兼ねたお祭りとして普及していったと考えられています。

ハロウィンの始まりは「悪い霊に取り憑かれないよう、悪霊に仮装する」という風習。
アメリカでも最初のうちはホラー感の強い仮装や飾りつけがされていましたが、広く普及していくにつれ意味は薄れていきます。伝統を引き継いできた人々以外は、楽しいお祭であってほしかったわけです。各地で有力者がハロウィンの「グロテスクさ」や「怖さ」を無くすよう働きかけました。

この結果、20世紀に入る頃には、ホラーテイストでありつつコミカルさや可愛らしさの方に大きく傾いた、現在のハロウィンのような形で定着しました。カボチャ、楽しいホラーナイトという現在のハロウィンのイメージは、ほぼアメリカで確立したものと言えますね、

ハロウィン=カボチャもアメリカ

私達の知っているハロウィンと言えばカボチャが定番。
カボチャをくり抜いて顔を作った“ジャック・オー・ランタン”もそうですし、ちょうど旬の時期を迎えるカボチャ調理やスイーツも多いですよね。

ハロウィン自体、起源はキリスト教以前の古代ケルト文化とされていますから、さぞ古くからカボチャも……と思いますが、実はハロウィンにカボチャが取り入れられたのは比較的最近のこと。というのも、カボチャはアメリカ大陸産の野菜。大航海時代にアメリカ大陸への到達を果たすまで、ヨーロッパの人々はカボチャを知りようがなかったのです。

▼カボチャの歴史はこちら

アイルランド系移民が増加した頃、アメリカ大陸ではカボチャが多く栽培されていました。値段が安くて大きく、日持ちもする、加工しやすい、と10月31日に使うランタンの条件にピッタリ当てはまる野菜=カボチャだったのでしょう。

アメリカでのハロウィンは収穫祭の意味もありましたから、くり抜いたカボチャの中身やたくさん取れたカボチャを使った食べ物も振る舞われていたようです。

ジャック・オ・ランタンって何者?

ハロウィンのマスコット、ちょっと悪い顔をしたカボチャのジャック・オ・ランタン(Jack-o’-Lantern)。直訳すると“ランタンのジャック”となりますが、「ジャックって誰だよw」と思ったことがある方もいるのではないでしょうか。

ジャックは、アイルランドの民話に登場する男性の名前。
飲んだくれで人格に問題がある男で、彼の魂を狙った悪魔を騙し「自分の魂を決してとらない」ことを約束させます。しかし、寿命で死ぬと、生前の行いが悪さから天国に入れず、悪魔との約束で地獄にも行けず、と行き場をなくしてしまいます。困り果てて悪魔に泣きつくと、悪魔は燃える石炭をジャックに投げ渡します。ジャックはこれをランタンに入れて持ち、自分を受け入れてくれる場所を求めて永遠にさまよい続けている……というお話。

イングランドでも“ウィルオウィスプ(Will-o’-the-wisp)”と呼ばれる鬼火の起源として、ウィル(ウィリアム)という男性が登場する民間伝承があります。こちらも死後行き場をなくした男が、悪魔から燃える石炭をもらい、その明かりを持って現世を彷徨い続ける、とちょっと似たところがあるお話。

こうした民話に登場する“彷徨う悪霊”を模して、ランタンを作っているわけですね。ただし、古くは“明かりを灯すことで悪霊達を遠ざける”という風習もあったため、悪霊であると偽装するのではなく、魔除け目的で明かりを飾るという説もあります。

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