【30秒でわかる】エイプリルフールとは?嘘をつく由来・理由は?
【30秒でわかる】エイプリルフールとは
エイプリルフールは4月1日に、笑えるような嘘をついたり、イタズラをしても良いという風習のことを指す言葉。祝日や祭日ではなく、民間発祥のイベントごとのようなものです。英語では“April Fools’ Day”と言います。
4月1日にだけ嘘を付いても良い、という風習の起源は分かっていません。とは言え、500年以上も前から西ヨーロッパあたりには存在していた風習。民間発祥で謎は多いものの、歴史がある風習・文化ではあるのです。
現在でもヨーロッパやアメリカでは、かなりお金も手間もかかった1日限定のおもしろ広告やニュースなどが配信されています。近年はインターネットやSNSの普及で、個人単位でも、ちょっとした小ネタから大作まで様々な“エイプリルフールの面白ネタ”が発信されています。
エイプリルフールの豆知識
エイプリルフールの起源・由来について
エイプリルフールの起源は不明です。
これはエイプリルフールが時の権力者、キリスト教会や国家が定めたものではなく、民間発信の風習のためです。庶民・一般市民がコソコソっと行っていた風習が、広まって有名になったようなイメージ。公的文書に「4月1日は嘘をついても良いとする」なんて記述はないので、いつ・どこから始まったかはわからないのです。
有力視されるエイプリルフールの起源説は“改暦”
エイプリルフールの起源・由来としてよく語られるのが、旧暦から新暦への移行。
昔のヨーロッパではユリウス暦という古代ローマ帝国で作られた暦が使われていましたが、16世紀になるとより制度の高いグレゴリオ暦が制定されます。グレゴリオ暦とは、現在和達たちが使っている新暦です。
グレゴリオ暦導入前のヨーロッパでは、新年(元日)は3月25日と考えている地域がほとんどでした。4月1日までの一週間は新年祭・春祭りを開いていたと考えられています。しかし、グレゴリオ暦では1月1日が新年の始まり。この“新年”のタイミングがズレてしまったことが4月1日がエイプリルフールになった始まりという説があります。
“新年”がズレて、なぜエイプリルフール?
エイプリルフールの発祥地として有力視されているのが、フランス。フランスでは1564年から、1月1日を新年とするグレゴリオ暦が採用されました。しかし、急に新しい暦に従えと言われても、今までの伝統を国の一存で変えられるのは嫌だ!という人々が、4月1日を「嘘の新年」という名目でお祝いをしたのが始まりという説が囁かれています。
また、同じく暦の変更が起源であっても、新しい元日に反発してではなく「新しい元日が1月1日だということを知らない人」「古くからの風習通り4月1日にお祝いをする人」を馬鹿にして4月の愚か者(April Fool’s)と言い始めたという説もあります。
改暦以前から、それっぽい文献はある
4月と愚か者・騙されるなどといった表現は、グレゴリオ暦の制定以前から存在しています。
フランス語ではエイプリルフールのことを“Poisson d’avril”と言いますが、1508年にもフランスの詩人Eloy d’Amervalが“Poisson d’avril”という言葉を使っているそう。グレゴリオ暦改暦前からエイプリルフールのような風習があったという捉え方もできますね。
このため、改暦・改暦による元日の変更がエイプリルフール起源という話は「説」の域を出ていません。
その他のエイプリルフールの起源説
ここまででご紹介したグレゴリオ暦への以降以外にも、エイプリルフールの起源として提唱されている説は沢山あります。以下では、わりと知名度のあると思われる起源説2つを紹介します。
エイプリルフール起源説2:古代ローマのお祭り説
古代ローマ帝国は、キリスト教が国教になる前は多神教。様々な神様を信仰し、それぞれの神様にちなんだお祭りが行われていました。その中でアッティス(Attis)という死と再生の神様を祀る“ヒラリア祭”というものが、エイプリルフールの起源、エイプリルフールという風習の成り立ちに影響を与えたという説もあります。
古代ローマで行われていた“ヒラリア祭”は、春分から4月1日にかけて行われていたお祭り。グレゴリオ暦以前に年末年始とされていた時期に該当します。お祭りの内容も、変装してふざけながら練り歩いたり、ゲームや仮面舞踏会をしたり、近くの人に嘘をついてからかったりするようなもの。コメディアンを“一日皇帝”にしたなんていう逸話もあり、羽目を外すことを楽しむようなお祭りだったと推測されます。
4月1日前後は冬が終わり、春になる頃合い。ポカポカ陽気で、人間もちょっと浮かれがちになる時期です。古くから“ヒラリア祭”のようなお祭りもあったので、多少ふざて人をからかうようなことをしても許されるという風潮があったのでしょう。古代ローマ帝国が崩壊しても、庶民の間にはそうした風習が残り、エイプリルフール文化の元になった可能性はありそうです。
エイプリルフール起源説3:インド発祥説
ヨーロッパ文化のイメージがあるエイプリルフールですが、その起源はインドに有りという説もあります。インドでは修行僧の方たちが悟りを開くために修行をしていますが、一つの区切りがつくタイミングが3月末。厳しい修行が終わっても、4月1日になるとまた迷いが生じることから「揶揄説」と言っていたという説もあります。
これが東の中国方面には「愚人節」もしくは「万愚節」として伝わり、西のヨーロッパ方面に伝わったものはエイプリルフールになったというのがインド発祥説。ただし、このインド起源説は日本語の書籍・Webサイトだと結構出てくるものの、英語サイトでは全くと言って良いほど触れられていません。
エイプリルフールの定番は国によって違う?!
時々過激すぎるネタが問題になったりはしていますが、エイプリルフールにつく嘘は基本的に、人を傷つけたり問題を起こすようなものはNG。楽しく笑えるような範囲にしましょう、というのは世界的に共通しています。
細かい部分について、フランス語圏と英語圏では、以下のようなちょっとした違いがあるようです。
フランス系は「魚」がキーワード
少なくとも16世紀にはエイプリルフールのような文化があったとされるフランス。
フランス語でエイプリルフールはPoisson d’avril、直訳すると「四月の魚」という意味になります。フランスやフランス語圏では、この呼び名にちなんで、エイプリルフールには魚の形に切り取った紙・魚の落書きをした紙を、背中にこっそり貼り付けるという悪戯が定番なのだとか。
イギリス系は「嘘は午前中だけ」
エイプリールフールで“嘘をつくのは午前中だけ(正午まで)”というルールがあるという紹介がされることもあります。実はコレ、世界共通ではなくイギリスが発祥のエイプリルフールルール。イギリスやイギリス文化の影響が強い地域では、午前中に嘘をつく→午後にネタバラシという流れが多いようです。
現代はインターネットがあり、多くの人が世界的メディアやSNSを見られる時代。一部地域のみの風習が世界的に広まったり、逆にマイナーになったりすることもあります。エイプリルフールは現在広く楽しまれているイベントですが、「良くない」と考える国・人もいますので、相手は選ぶようにしましょう。
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