【30秒でわかる】ブラウニーの発祥・歴史とは

【30秒でわかる】ブラウニーの発祥・歴史とは

【30秒でわかる】ブラウニーの発祥は?

ブラウニーは平べったく、四角く切りそろえられている事が多い焼き菓子。ケーキというには硬めでみっしり、ビスケットと呼ぶには厚みがあり柔らかい、ケーキとクッキーの中間の食感が特徴です。

ブラウニーはアメリカ菓子を代表する存在で、発祥もアメリカ
諸説ありますが、1893年にシカゴにあるパーマーハウスホテル(The Palmer House Hotel)のシェフが考案したというお話が有力視されています。このパーマーハウスホテルは、シカゴ万国博覧会の会場の近く。万博に参加する女性が、気軽に食べられるデザートというコンセプトで考案されたと伝えられています。

その他、ブラウニー誕生エピソードには以下のようなものもあります。

  • シェフが誤って溶かしたチョコレートをビスケット生地に加えた
  • チョコレートケーキを焼くつもりのシェフが、小麦粉の量を間違えた
  • ベーキングパウダーを切らせていた(入れ忘れた)主婦が作った

ブラウニーのマメ知識・雑学

ブラウニーの語源・由来は?

ブラウニー(Brownie)という呼び名の由来は、brown(茶色)。
一般的なケーキやクッキーよりも、生地が茶色いことが語源として有力視されています。

英語では、単語の後ろに「小ささ」「可愛らしさ」などのニュアンスを加える指小辞として“-ie”や“-y”をつけることがあります。ブラウニーという言葉もBrown + ieで作られたと考えられます。ちなみに、クッキー(Cookie)というアメリア英語も、ケーキの末尾に“ie”を付け「小さく、甘いケーキ」という意味をもたせたものが語源との説が有力視されています。

また、ブラウニーの名前の由来は、スコットランドの民間伝承に登場する“brownie”もしくは“broonie” という妖精という説もあります。夜、人間が眠っているときに掃除や家事をしてくれる、時々悪戯をする…と、物語や詩にもよく登場していて、アメリカでは馴染みのあるキャラクターのようなものだったようです。

ブラウニーとブロンディの違い、歴史

分かりやすくするためにチョコレートブラウニーという言い方をする場合もありますが、単にブラウニーと言った場合には、チョコレートもしくはココアパウダーを使用しているものを指すのが一般的です。

生地にチョコレートを入れず、糖蜜・ブラウンシュガー・バニラなどを使用したバリエーションは、ブロンドブラウニー(blond brownie)またはブロンディ(blondie)と呼び分けることが多くなっています。ただし、ブロンディという呼び名が広く使われるようになったのは1980年代頃。

最古のブラウニーレシピは“ブロンディ”?

ブラウニーという言葉が登場する最古のレシピ本は1896 年版『The Boston Cooking-School Cook Book(ボストン・クッキング・スクール・クックブック)』とされています。実はこの本に載っている最古の“Brownies”のレシピでは、チョコレートが使われていません[1]。代わりに糖蜜が使われているので、茶色っぽかった可能性はありますが、私達の思うようなブラウニーではなく、糖蜜を使ったバークッキーという代物。

それより少し後、1899年に発行された料理本『Machias Cookbook』には“BROWNIE’S FOOD”としてチョコレート、牛乳、バター、小麦粉などを使った焼き菓子のレシピが掲載されています[2]。こちらの方が私達が思うブラウニーに近いですね。

19 世紀後半~20世紀初頭はチョコレートの生産が増加し、家庭でもチョコレートやココアが使われるようになった時期。20世紀に入るとチョコレートを使ったブラウニーのレシピが多く登場します。1906年版『The Boston Cooking-School Cook Book』にもチョコレートを使ったブラウニーのレシピが掲載されたそう。チョコレートが気軽に使えるようになった、という時代背景もあって、ブラウニー=チョコレートが定着したのでしょう。

ファッジブラウニーとケーキブラウニーの違いは?

ブラウニーにはファッジ(Fudgy Brownies)とケーキ(Cakey Brownies)という区分もあります。

ケーキ(Cakey Brownies)は名前の通り、ケーキやスポンジのような食感が強いものを指します。日本のコンビニや、スーパーのお菓子コーナーで売られているのは、ほぼこちらのケーキタイプ。

ファッジ(fudge)はイギリスが発祥とされる、西洋で食べられているキャンディの一種。粘り気が少なく、ほろっとした食感のキャラメルのようなものです。ファッジブラウニーは、このファッジに近い食感・濃厚さがあるものを指します。レシピ的には砂糖・チョコレートの分量が多いのが特徴。

ブラウニーとガトーショコラの違いは?

ブラウニーとよく似た、チョコレート味の焼き菓子にはガトーショコラもあります。

形状として考えると、ブラウニーは四角(四角く焼いて、更に直線的にカット)する、ガトーショコラは円形の型に入れて焼くことが多いでしょう。また、どちらも使用する材料はほぼ同じですが、ガトーショコラの方が濃厚でしっとりしたケーキっぽい食感、ブラウニーはもう少し噛みごたえがあるイメージを持たれる方が多いはず。

ちなみに、食感の違いは、使用する小麦粉量と卵の扱い方
オーソドックスなレシピとしては、ガトーショコラが全卵もしくは卵白を泡立てるのに対して、ブラウニーはただ全卵を混ぜ込むことが多いです。卵の泡立ても結構大変ですから、ブラウニーの方がより初心者向きのお菓子と言えるかもしません。ワンボウルでサクッと作れて失敗しにくいお菓子です。

とは言え、長方形のパウンドケーキ型で焼いて切り分けたり、“泡立て無し(メレンゲ無し)”のガトーショコラレシピも少なくありません。食感についてもブラウニーのファッジタイプ、ケーキタイプでも違いますから、特に日本においては、あまり厳密な区分けはされていないと言えるでしょう。

【参考サイト】

  1. [1]The Boston cooking-school cook book – Internet Archive
  2. [2]Machias Cook Book – Internet Archive