【30秒でわかる】父の日とは – 起源、バラを贈る由来は?
【30秒でわかる】父の日の意味、起源とは
父の日とは、お父さんに感謝を伝える日。
日本では6月の第3日曜日です。
この日付はアメリカのFather’s Dayに倣ったもので、私達がお祝いしている(6月の第3日曜日の)父の日の起源もアメリカ。父の日はソノラ・スマート・ドッドさんが「母の日があるなら、父に感謝する日もあるべき」と考え、1909年に礼拝を行うように働きかけたことがはじまりです。
行われた礼拝では、父親に敬意を示すために赤いバラ、父親が亡くなっている人は白いバラを、ピンで留めるよう参加者に推奨したと伝えられています。このため、父の日の花はバラと紹介されることが多いです。
ちなみに、お父さんに感謝を示す日、もしくは父性を称える日も世界中に存在しています。アメリカ式“父の日”が広まる以前から行われている行事もあり、起源や日付、風習は各国で違っています。
父の日の由来・マメ知識
アメリカの“父の日”の由来・歴史
6月の第3日曜日を“父の日”として、父親に感謝を示す風習はアメリカから始まりました。
アメリカでのFather’s Dayの起源
アメリカで父の日を創った人とされているのは、ソノラ・スマート・ドッド(Sonora Smart Dodd)という女性。彼女は当時米国で行われるようになった“母の日”を知り、ワシントン州のワシントン州スポケーンの牧師協会に「母だけではなく、父に感謝する日」も必要だと嘆願。この願いが通り、1910年、6月の第3日曜日に父のための祭典が行われました。
父の日の創設者とされるソノラ・ドッドさんは6人兄弟の長子。彼女が16歳の時にお母さんは出産で無くなってしまい、そこからはお父さんと協力して弟達の子育てをしていたのだとか。そうした背景も「母親だけではなく、父親も讃えられるべき」という主張に繋がったのではないかと考えられています。
ちなみに、6月の第3日曜日に行われた父の日祭典ですが、当初ソノラ・ドッドは自分の父親の誕生日である6月5日を希望していたそうですよ。牧師会の方の準備などもあり、実際には希望した日よりも遅い第3日曜日に開催という形になったそう。
アメリカでFather’s Dayが認められるのは遅かった
1910年から始まった“父の日”が、公式に国(アメリカ)に制定されたのは1972年。母の日が10年足らずで認められたのと比べると、かなり時間が経ってからのことと言えるでしょう。
父の日も同然、国の公式記念日にしようという運動はありました。
1913年には“父の日”を制定する法案も提出されていますし、1916年には当時のアメリカ合衆国大統領(ウッドロウ・ウィルソン)がスポケーンを訪れ父の日を祝ったそう。しかし、法案は議会に承認されませんでした。
父の日が認められなかった背景には、以下2つの理由が考えられています。
- 商業的な記念日を増やしたくなかった
- 「男らしくない」という声があった
1914年に認められた母の日ですが、グリーディングカードを送ろう・贈り物をしようなど、商業的なイベントになっていきます。この傾向に創始者であるアンナ・ジャーヴィスは反対し、抗議活動で逮捕されたことも。「母の日を始めなければよかった」という言葉も残っているほど、本来の目的である“苦労を労い、感謝を伝える”ところからは離れてしまったわけです。
父の日もそうなるのでは?という懸念から反対の声が多く、また「感謝の言葉やプレゼントを貰って喜ぶなんて、男らしくない」という考え方をする人も多かった模様。ギフトを贈る商業イベント化され、それに自分が稼いだ金が使われる事に否定的だった議員さんも多かったのでしょう。
そんな反発によって1910年代に盛り上がった「父の日も作ろう」運動は、1920年代からは衰退。
創設者であるソノラ・ドッドも、1920年代にスポーケンを離れて、シカゴ美術館で勉強しています。この期間は父の日普及のキャンペーンも行っておらず、徐々に世間からも忘れられていった形です。
1930年代、ソノラ・ドッドはスポケーンに戻り、再び父の日普及のために動き始めます。商業イベント化を嫌ったアンナ・ジャーヴィスとは逆に、プレゼントの製造・小売業者などの援助を得られるように活動。業界団体を巻き込んで宣伝を続け、遂に1972年にニクソン大統領によって“父の日”は恒久的な国民の祝日として制定されました。
日本の父の日と、黄色いバラの由来
日本で父の日が普及したのは?
公的にアメリカで父の日が制定されたのは1972年ですが、ソノラ氏や製造・小売業者の活動もあり、それ以前から父の日を祝う・ギフトを贈るという風習はアメリカで根付いていました。日本でも戦後アメリカ文化として伝わり、1950年代から徐々に1つのイベントとして広がっていきました。
父の日が日本に定着したのは1980年代頃。
当時は景気がよく、バレンタインデーに義理チョコを大量購入したり、バレンタインデーのお返しをする日本独自の“ホワイトデー”が作られた時期。母の日と対になる形で、男性向け商品の売り上げが期待できる“父の日”も、特設売場を作ったりとキャンペーンが強化され、定着したと考えられます。
黄色いバラの由来は?
母の日のカーネーションほと定着していませんが、父の日を象徴するお花はバラ。
これはソノラ・ドッドは開催した1910年の、父のための祝賀会。このとき出席者にはバラが配られ、父親が存命なら敬意を示すバラを、父親が亡くなっていれば白いバラをつけるよう奨励されたと伝えられています。
日本の場合は、赤や白のバラより、黄色のイメージが強いかもしれません。
これは日本ファーザーズ・デイ委員会さんが『父の日黄色いリボンキャンペーン』を行っている関係で、黄色が父の日のイメージカラーとして認知されているため。日本でのイメージカラーと、アメリカ式のバラが合体して、父の日の贈り物・父の特設会場の飾り物で黄色いバラを見かける機会が多くなっているようです。
プレゼントされる日本のお父さん方としても、赤薔薇よりは黄色いバラの方が親しみやすい、気恥ずかしさが少ない、という部分もあるかもしれませんね。
国際男性デーもある
父の日と似て非なる記念日として、11月19日の国際男性デー(International Men’s Day / IMD)もあります。1999年にトリニダード・トバゴ共和国から始まったもので、現在では世界中の団体・個人によって行われています。とは言え、国際女性デーとは異なり、国際男性デーは国連に正式に定められた“国際デー”ではありません。
国際男性デーの目的は、男性・男の子の心身の健康などに目を向け、ジェンダー平等などについて考えようというもの。男性にも「男はこうでなければならない」というジェンダーバイアスがあったりしますので、そういった部分にも目を向けていこうよ、というイベントが行われていたりします。
国によっては第二の母の日、女性にプレゼントを送るなどの風習も定着している国際女性デーとは異なり、国際男性デーは“男らしさの呪縛”や“男性の生きにくさ”に目を向けるなど、ジェンダー平等に対する取り組みが主体となっています。
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